「コンデンサ」は魔法の箱!電気をためて科学の面白さに触れよう

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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「コンデンサ」と聞いて、皆さんどんなイメージを思い浮かべますか?もしかしたら、理系の専門家が使うような、少し難しそうなパーツだと感じているかもしれません。でも、実はコンデンサは私たちの身の回りのあらゆる電化製品、例えばテレビやパソコン、携帯電話など、目には見えないけれど欠かせない働きをしている“縁の下の力持ち”なんです。

そんなコンデンサですが、実は小学校の理科の授業でも登場することがあります。しかし、残念ながら「コンデンサを触ったことがない」「どんな働きをするのか覚えていない」という声もよく耳にします。それは本当にもったいない!コンデンサは、電気を蓄えたり放出したりする“魔法の箱”。その不思議な性質を体感する実験は、子供たちの好奇心を刺激し、「科学って面白い!」と感じるきっかけになります。

手軽にできるコンデンサの実験をご紹介します。お家にある道具や、近所のパーツ屋さんで手に入るもので、親子で一緒に科学の不思議を体験してみませんか?

科学のレシピ

用意するもの

  • コンデンサ
  • 手回し発電機(または電池)
  • 豆電球(またはLED)

方法

① コンデンサを充電する
手回し発電機とコンデンサをつないで、電荷をためます。コンデンサの中には、電気を蓄える板が向かい合って入っています。手回し発電機でハンドルを回すと、この板に電気がたまっていくのです。極性のあるコンデンサは、プラスとマイナスの接続を間違えないように注意してくださいね。

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② 手を離してみる
充電中に手を離してみると、手回し発電機のハンドルがひとりでに回り出すのがわかります。これは、コンデンサに蓄えられた電気が逆流して、発電機をモーターのように回しているからです。まるで、水風船にたまった水が勢いよく飛び出すように、コンデンサから電気が流れ出しているんですね。

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③ またハンドルをもって回す
再びハンドルを回し始めると、最初は少し重い感触があるはずです。これは、コンデンサに逆流した電気を押し戻す必要があるからです。徐々にハンドルが軽くなってきたら、コンデンサが満タンに充電された合図です!

④ ハンドルを手でおさえながら、コンデンサとの接続をはずして、電球につける
さあ、いよいよクライマックスです。コンデンサに蓄えられた電気を豆電球に流してみましょう。すると、豆電球が一瞬ですが、ピカッと光ります!

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この光は、コンデンサに蓄えられた電気が一気に放出されて、豆電球のフィラメントを熱くしたために発生します。LEDの場合は、豆電球よりも少ない電気で光るので、より長く光り続けるはずです。蓄えた電気を光に変えるこの瞬間は、子供たちの「なるほど!」を引き出す最高の体験になるでしょう。

この実験で使ったコンデンサは、ちょっとした電子パーツ屋さんに行けば手軽に手に入ります。ぜひ、お家で試してみてくださいね!

 

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